アジア最終予選「初戦に負けると確率0%」はあまりにもナンセンスw
2016年9月1日のサッカーワールドカップアジア最終予選・UAE戦のテレビ朝日の放送。
「アジア最終予選の初戦に負けると、本大会出場の可能性は0%」なるフレーズが何度か飛び出した。
何と比較して「初戦に負けると」なのか?
初戦の重要性を強調したものなのだろうが、そうであればこそ、「2戦目に負けた場合、3戦目に負けた場合・・・と比較して、初戦に負けた場合はこう」ということを言わない限り、「初戦の特別さ」がいかほどのものなのかは分からない。
初戦だけ勝ち点が多いわけでもあるまいし・・・
前提条件が違いすぎ
また、根拠となった過去のデータは、1998年大会以降5回分のアジア最終予選のもの。
本大会への出場枠数が違ったり、最終予選グループリーグ参加チーム数が違ったりすれば、当然、「1試合の勝敗の重み」も変わるわけで、そうなると、初戦の勝敗の重要さも変わってくる。
そこの部分を無視して、「初戦に負けると・・・」と言っているのだから、まあ何と言いましょうか・・・
出場枠が2.5チームだった98、02
日本が初めてワールドカップに出場した98年フランス大会の時は、アジア枠は2.5枠だった(現在は4.5枠)。
日韓大会の02年も、日本と韓国を除くアジア枠は2.5。
なので、最終予選グループAとグループBの1位チーム+0.5チームのみが本大会に出場できた。
また、各グループリーグは5チームしかなかった(現在は6チーム)。
なので、「グループリーグで1位にならなければならない×試合数は8試合」の当時と、「グループリーグ2位以上×試合数は10試合」の現在とでは、1試合の勝敗の重みは違ってくる。
初戦か否かに関わらず、「1回負けたらダメ」感が全然違う条件下で、「初戦に負けると・・・」云々言うことに、一体、何の意味が・・・?
グループリーグが4チームだった06
2006年ドイツ大会から、アジア地区の出場国が4.5枠に増えた。
ただ、この2006年のアジア最終予選のグループリーグ参加チームは各グループ4チームずつ(日本は、イラン、バーレーン、北朝鮮と同じ組)で、上位2チームが無条件でワールドカップ本大会に出場(日本とイランが本大会出場)。
ちなみに、この時は、日本はリーグ戦を5勝1敗。その1敗は、2戦目、アウェイでのイラン戦だった。
2010も2014も最終予選は5チームのリーグ
2010年南アフリカ大会、2014年ブラジル大会のアジア最終予選のグループリーグは5チームずつ(計10チーム)が参加することに。
最終予選の試合数は8試合に増えた。
2018年ロシア大会のアジア最終予選と比較的近い条件になったといえるが、それでも試合数が10と8では、1試合あたりの勝敗が与える影響は違う。
・・・とそんなわけで・・・
結論
要は、「第何戦の負けなら大丈夫で初戦の負けだとダメ」という合理的な理由を過去のアジア最終予選から見て取ることはできない。